住宅資金の贈与(親からの援助)は非課税?【2026年贈与版】使える特例と注意点
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※この記事は、2026年(令和8年)中に受けた贈与を対象にしています。税金の扱いは、個別の状況によって変わることがあります。実際に使うときは、国税庁のページや税務署、税理士に確認してください。この記事の内容は2026年10月時点のものです。
家を買うときに、親から資金の援助を受けられることになると、「贈与税はかかるのか」が気になります。まとまった額をもらうと、思った以上に税金がかかることもあります。
この記事では、親からの援助にかかる贈与税のしくみと、住宅のための贈与が非課税になる特例、使うための条件と注意点を、順番に整理します。
親からの援助にも、贈与税がかかる
親から子へお金を渡すと、それが家を買うためのお金でも、贈与税の対象になります。
ただし、贈与税には、1年間(1月1日〜12月31日)にもらった額から110万円を差し引ける基礎控除があります。1年間にもらった額が110万円以下なら、贈与税はかからず、申告もいりません。
110万円を超えると、超えた分に贈与税がかかります。父母や祖父母から、その年の1月1日時点で18歳以上の子や孫がもらう場合は、「特例税率」という、ほかの場合より低い税率で計算します。
住宅取得等資金の贈与の非課税とは
家を買うためのお金を親からもらう場合は、「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」という特例を使えます。条件を満たすと、次の額まで、贈与税がかかりません。
| 家の種類 | 非課税になる額 |
|---|---|
| 省エネ等住宅 | 1,000万円まで |
| それ以外の住宅 | 500万円まで |
どちらも、もらう人1人あたりの上限です。父と祖父の両方からもらっても、合計でこの額までになります。
この特例が使えるのは、2026年12月31日までに受けた贈与です(2026年10月時点)。 2027年以降に延長されるかどうかは、例年12月ごろにまとまる税制改正大綱で方向が示され、翌年3月ごろに法律で決まります。
省エネ等住宅は、新築の場合、省エネ・耐震・バリアフリーのいずれかで一定の基準を満たす住宅です。例えば省エネなら、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上が必要です。中古住宅の場合、省エネの基準は、断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上です。
基準を満たすことは、住宅性能証明書などの書類を贈与税の申告書に付けて示します。書類は、住宅会社や不動産会社に相談して用意します。
基礎控除と一緒に使える
この特例は、年110万円の基礎控除と一緒に使えます。例えば省エネ等住宅なら、その年にほかの贈与がなければ、1年間に1,110万円までもらっても、贈与税はかかりません。
試算例で、税金がどれくらい変わるか
例えば、2026年に父母から800万円の援助を受けて、省エネ等住宅ではない家を買う場合を考えてみます(説明のための試算例です。ほかに贈与はないものとします)。
| 特例を使わない場合 | 特例を使う場合 | |
|---|---|---|
| 非課税になる額 | なし | 500万円 |
| 基礎控除 | 110万円 | 110万円 |
| 税金がかかる額 | 690万円 | 190万円 |
| 贈与税 | 117万円 | 19万円 |
この例では、特例を使うと、贈与税が約100万円少なくなります。 省エネ等住宅なら、800万円は非課税の範囲に収まり、贈与税はかかりません。
使うための条件
主な条件は、次のとおりです。細かい条件もあるので、実際に使うときは国税庁のページで確認してください。
誰から、誰への贈与か
- 贈与する人:父母や祖父母など、もらう人の直系尊属であること。配偶者の父母(義理の父母)は、養子縁組をしていない限り対象になりません
- 親や親族から家を買う場合は、特例を使えません
- もらう人:贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること
- もらう人の所得:贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること(家の床面積が40㎡以上50㎡未満なら1,000万円以下)
どんな家か
- 床面積(登記簿の面積。マンションは専有部分)が40㎡以上240㎡以下で、その半分以上に自分が住むこと
- 中古住宅は、1982年(昭和57年)1月1日以後に建てられたものなど。それより前の建物は、耐震基準に合っていることの証明などが必要です
いつまでに、何をするか
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、もらったお金の全額をあてて、家の新築や購入をすること
- 建売住宅や分譲マンションを買う場合は、翌年3月15日までに引き渡しを受けていること
- 翌年3月15日までに住むこと(または、そのあとすぐに住むことが確実なこと)
- 翌年2月1日から3月15日までに、贈与税の申告をすること
気をつけたいこと
申告しないと、特例は使えない
この特例は、贈与税がゼロになる場合でも、申告をしないと使えません。 申告をしないと特例は受けられず、もらった額によっては贈与税がかかります。2026年に贈与を受けたら、2027年2月1日から3月15日までに申告します。
2026年中に住み始めた場合は、住宅ローン控除の確定申告と時期が重なるので、早めに書類を準備しておくと安心です。
お金を受け取る時期
特例の対象は、家の購入や新築の代金にあてるためのお金です。住宅ローンの返済にあてるお金は、対象になりません。代金を払う前に受け取っておくと確実です。
また、特例が使えるかどうかは、お金を受け取った日で決まります。2026年の特例を使うなら、2026年12月31日までに受け取ります。家の購入や入居は、翌年3月15日まででかまいません。
住宅ローン控除の計算が変わる
この特例を使って家を買った場合、住宅ローン控除の計算では、家の価格から、特例を使ってもらった額を差し引きます。ローンの残高が「家の価格から、もらった額を引いた額」より多いと、控除の対象になる残高が少なくなります。
住宅ローン控除のしくみは、別の記事で整理しています。
援助を受けたら、頭金と手元のお金のバランスも
援助を受けると、頭金を多く入れられます。ただ、もらったお金を全部頭金にあてると、手元のお金が少なくなることがあります。援助を受ける場合も、手元に残すお金を先に決めておくと安心です。
援助してもらう分を今の貯金に足して入れると、無理なく買える価格の目安がどう変わるかを確かめられます。
おわりに
親からの住宅資金の援助にも、贈与税がかかります。ただし、2026年12月31日までに受けた贈与なら、条件を満たすと、省エネ等住宅は1,000万円、それ以外の住宅は500万円まで非課税になります。基礎控除の110万円と一緒に使えます。
特例を使うには、贈与を受けた翌年の3月15日までに申告が必要です。お金を受け取る時期や、家の条件も確かめておきましょう。
まずは、買う予定の家が省エネ等住宅にあたるかを、住宅会社や不動産会社に確かめるところから始めてみてください。