住宅ローン控除は2回受けられる? 住み替えで新しい家を買うときの条件と注意点

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水色のテラゾーの上に、「OLD HOME」の古い鍵から「NEW HOME」の新しい鍵へ向かう矢印と、「TAX CREDIT?」と書かれたカード

※住宅ローン控除の条件や控除額は、住み始めた年や住宅の種類によって変わります。実際に受けられるかどうかは、税務署や税理士に確認してください。この記事の内容は2026年10月時点のものです。

今の家で住宅ローン控除を受けていると、住み替えを考えたときに「新しい家でも、また控除を受けられるのかな」と気になります。前の家の控除はどうなるのかも、分かりにくいところです。

この記事では、住み替えたときの住宅ローン控除の扱いと、新しい家で控除を受けるときに一番気をつけたい点を、順番に整理します。

住宅ローン控除は「住んでいる間」受けるもの

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを使ってマイホームを買ったり建てたりしたときに、年末のローン残高をもとに計算した金額を、所得税から差し引ける制度です。

控除を受けるには、その年の12月31日まで、その家に引き続き住んでいることが条件の1つです。

住み替えて前の家に住まなくなると、前の家の住宅ローン控除は、原則としてそこで終わります。 控除期間が残っていても、住んでいない家の分は受けられません。

なお、転勤など、勤務先の命令でやむを得ず住まなくなった場合は、住まなくなる前に届出をしておけば、あとでまた住んだときに控除を受け直せる特例があります。自分の都合で住み替えた場合は対象になりません。

新しい家でも、条件を満たせば控除を受けられる

住宅ローン控除の条件には、「以前に控除を受けたことがないこと」は入っていません。そのため、前の家で控除を受けていた場合でも、新しい家が条件を満たせば、あらためて控除を受けられます。

新しい家で控除を受けるための主な条件は、次のとおりです。

  • 家を取得してから6か月以内に住み始め、控除を受ける年の12月31日まで住み続けていること
  • 床面積が50㎡以上であること(一定の条件で40㎡以上の場合もある)
  • 返済期間が10年以上の住宅ローンであること
  • 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 家を2つ以上持っている場合は、主に住んでいる家であること

このほかにも条件があり、控除額や控除期間は、住み始めた年や、新築か中古か、省エネ性能などによって変わります。詳しくは、国税庁のページで確かめてください。

控除期間は、新しい家でゼロから数え直す

新しい家の控除期間は、前の家で何年控除を受けたかには関係なく、新しい家について改めて数えます。前の家の残りの期間が、新しい家に引き継がれることはありません。

例えば、前の家で6年控除を受けてから住み替えた場合でも、新しい家が条件を満たせば、新しい家の控除期間(10年または13年など)を、住み始めた年から受けられます(説明のための例です)。

控除期間と控除額の上限は、新しい家が新築か中古か、省エネ性能、住み始めた年によって変わります。例えば2026年に住み始めた場合、新築の省エネ基準適合住宅などは13年、中古で省エネ性能の基準を満たさない住宅は10年です。

なお、新築で省エネ基準を満たさない住宅は、2024年以降に住み始めた場合、原則として控除を受けられません。新築を買うときは、省エネ性能も確かめておくと安心です。

一番の注意点:前の家を売ったときの「3,000万円控除」との関係

住み替えで一番気をつけたいのが、前の家を売ったときに使う税金の特例との関係です。

自分が住んでいた家を売って利益が出たときは、条件を満たせば、利益から最大3,000万円を差し引ける特例(3,000万円控除)があります。ところが、この特例と新しい家の住宅ローン控除は、時期によっては両方を使えません。

新しい家に住み始めた年と、その前2年・後3年の計6年の間に、前の家の売却で3,000万円控除などの特例を使うと、新しい家では住宅ローン控除を受けられません。 3,000万円控除のほかに、10年超所有の軽減税率の特例や、買い換えの特例なども同じ扱いです。

住み替えでは、前の家を売る時期と新しい家に住み始める時期が近いことが多いので、この6年の間に入りやすくなります。

特に気をつけたいのが、新しい家に先に住み始めて、あとから前の家を売る場合です。新しい家に住んだあと3年以内に前の家を売って3,000万円控除などを使うと、それまでに受けた住宅ローン控除が取り消されます。売った年の確定申告の期限までに、過去の年の分を修正申告して、控除で減った税金を納め直す必要があります。

どちらを使うと有利かは、金額によって変わる

この場合は、「前の家の売却で3,000万円控除を使う」か、「新しい家で住宅ローン控除を受ける」かを選ぶことになります。

  • 前の家を売って大きな利益が出る場合は、3,000万円控除で減らせる税金が大きくなる
  • 利益が少ない場合は、3,000万円控除で減らせる税金も少ないので、新しい家の住宅ローン控除を受けたほうが有利になることがある

そもそも前の家を売って利益が出ない場合は、3,000万円控除を使う必要がないので、新しい家の住宅ローン控除をそのまま受けられます。売って損が出た場合は、条件を満たせば、損を給与などの所得と差し引ける別の特例もあり、こちらは住宅ローン控除と一緒に使えます。

どちらが有利かは、売却の利益や、新しい家のローンの額、控除期間などによって変わります。迷ったら、税務署や税理士に確かめてから決めると安心です。

今の家を売ったときに利益が出そうか、3,000万円控除を使うと税金がどう変わるかは、売却の手取り計算で確かめられます。「今住んでいる家(マイホーム)ですか?」で「はい」を選ぶと、3,000万円控除を使った場合の税金が出ます。

👉 マンション売却の手取り計算

住み替えの順番と、控除の手続き

売る時期と買う時期の決め方は、別の記事で整理しています。

👉 売り先行?買い先行? マンションから住み替えるときの順番と、お金のつなぎ方

新しい家で住宅ローン控除を受けるときは、最初の年は確定申告が必要です。会社員の場合、2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受けられます。

前の家の売却で3,000万円控除を使う場合も、確定申告が必要です。売った年と新しい家に住み始めた年が違っても、6年の範囲に入っていれば、どちらか一方しか使えません。どちらを使うかは、最初の確定申告の前に決めておくと安心です。

住み替えたあとの毎月の住居費がどう変わるかは、住み替えシミュレーターで確かめられます。

👉 住み替えシミュレーター

おわりに

住宅ローン控除は、住んでいる家について受けるものなので、住み替えると前の家の控除は原則として終わります。新しい家でも、条件を満たせば、あらためて控除を受けられます。

ただし、前の家を売ったときに3,000万円控除などの特例を使うと、時期によっては新しい家で住宅ローン控除を受けられません。どちらが有利かは金額によって変わるので、住み替えの計画を立てる段階で確かめておくと安心です。

まずは、今の家を売ったときに利益が出そうかを、ざっくり計算してみてください。どちらの控除を考えればよいかの手がかりになります。

👉 マンション売却の手取り計算